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「思いやり>自己責任」


昨今、世間一般でも「自己責任」という言葉が語られるようになりました。しかし往々にしてそれが字面以上の理解を得られていないのではないか、快速旅団はそれを危惧しています。「自分ですべて責任を取るから何をやってもいい」というのが誤りなのはどなたにもご理解いただけることと思います。また、往々にして責任遂行能力に個人差があるのも悲しいかな現実です。「自己責任というのはとても不安定なものだ」ということに気づかないまま自由を希求する風潮に大きな不安を感じているわけです。

快速旅団は「他の迷惑にならないか」といった配慮なしに自由を語ることは幼稚である、と考えています。そういった配慮・思いやりこそ自由を考える第一歩であるべきだろう、と。

もちろん、多くの人は他者との係わり合いの中で生活しているわけで、日常生活においてすでに何らかの影響――いうなれば迷惑――をかけあいながら暮らしているわけです。ですから「他の迷惑にならないか」といちいち考えていたらキリがないし、「それを言い出したら何もできない」という極論に至りかねません。それでも快速旅団は「そのキリのないリスクを背負って生きている、言い換えれば“公の中の個であることを切実に認識する責任”が“自己責任”に先行すべき」と主張する者です。

抽象論に陥りがちなので、少し極端ですが例を挙げてみましょう。

極寒の北海道、雪中野営は結構な冒険ですね。それを敢えて行う冒険者を引き止めるのは野暮というものです。が、もし彼らが「極寒の野営で死んだとしても自分の責任」程度の意識で臨むのであれば、それは大きな勘違いだと批判せざるを得ません(その程度の意識すらなく「結局誰かが助けてくれる」なんて言うのは論外です。念のため)。
仮に何かあったとして、ご親族をはじめ、残された人々への負担・責任が莫大なものになることに思いを致すことができないかぎり、子どもの冒険の域を出ることはありません。それをフォローするのはスキルと経験をもって「無事帰還」を約束することしかありませんが、その能力をもってしてもなおリスクがある、と意識すべきです。

ご存知の通り、快速旅団ではいくつかの“自己責任商品”を扱っているわけですが、それらの商品のみならず、すべての商品について上記の想いを込めて提供しており、またご購入に際しても「当事者だけでなく“第二者・第三者も含めての無事”に責任を負う」という同意のもとご購入いただいているものとさせていただきます。よろしくご理解、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

快速旅団 金子 元


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